家族旅行
「静岡県・kazuboo様」から投稿頂きました。
2000年9月14日、家内・長女・次女・そして長男のお嫁さんと孫の6人で、長年の夢であったアメリカグランドキャニオン遊覧を主とした西アメリカ旅行に出掛けました。
フライトは仕事の関係で成田→ラスベガスの直行便ではなく、デルタ航空で成田→ポートランド→ソルトレイクシティ→ラスベガスの乗り継ぎで行くことになりました。
最初の乗り継ぎであるポートランドにはその日(9/14)の現地時間午前10時過ぎに到着。ここで各自の時計を16時間戻し、ポートランド13時発でソルトレイクシティまでは順調に行きましたが、ここから予期せぬドラマが始まるのです。
ツアーを申し込んだ旅行社の日程表によりますと、ソルトレイク着14時25分、次のラスベガスへ向かうフライトはソルトレイク17時40分発となっており、この空港で待ち時間が3時間以上ある事から、ゲートを出て近くのレストランで昼食をとることにしました。 頃合いを見てからゲートに戻ると、どうも様子がおかしいのです。搭乗口には人が全くおりません。空港の時計を見たら、なんと18時を過ぎているのです!自分たちの時計より1時間も進んでおり、乗る予定だった飛行機はとっくに飛び去っていたのです。
パニックで事態を把握する迄時間が掛かりましたが、ポートランドとソルトレイクとの間で時差が1時間ある事に気が付くと、事の重大さに全員唖然となりました。
旅行社に電話したものの「次の便のキャンセルを待って欲しい」と言うだけです。キャンセル待ちを予約しましたが、なかなか席は空かず、ドキドキしながら時間が経過するのをただジィーッと待つことしか出来ません。とうとう、22時15分発の最終便までキャンセルが出ることはありませんでした。。。
空港で一夜を明かす訳にもいかず、再度旅行社に電話して、ソルトレイクでホテルを確保して欲しいとお願いし、翌朝ラスベガスからグランドキャニオンへの遊覧飛行をどうするか等を相談しましたが、埒が明きません。
どうする事もできず、取りあえずその晩の宿泊をどうしよかと思い悩んでいたところ、デルタ航空のチーフらしき案内の女性が私達の元へいらっしゃいました。
彼女は幼児を連れて困惑している私達に同情したのか、デルタ航空側でホテルを手配してくれると言うのです。更には、食事付きの無料券を6名分渡してくれ、ホテルまでの送迎付きという厚い持てなしを受けました。 トラブルで困惑していた私達でしたが、思い掛けないご好意で、予定外にソルトレイクの豪華なホテルで一夜を過ごす事が出来ました。
翌朝、グランドキャニオン遊覧飛行を11時の最終便に乗る為には、 ソルトレイク8時15分発のキャンセル待ちに乗るしか手段がないので、朝早く空港に行きました。キャンセル待ちを予約したものの、空きが出る様子がありません。 グランドキャニオンは諦めかけていたところ、出発5分前になって、3名のキャンセルが出たとの知らせが入って来ました。娘達から「お父さんが楽しみにしてたんだから、お母さんと二人で行ってきて」と促され、ラスベガスのホテルでの再会を約束し、機内に入りました。
スチュワーデスに案内された席は何とビジネスクラスで、しかも先頭から二つ目の窓側という上等な席でした。席や機内サービスのハイクラスさに酔いしれ、窓から眺める広大なアメリカ大陸に二人して感動した1時間20分でした。ただ、ソルトレイクに残した4名が、次のキャンセルに乗れるかが気掛かりで、いつまでも感激に浸っている訳にはいきませんでした。
ラスベガスの到着ゲートには、旅行社の現地係員が待っていてくれました。驚いた事に、その隣には息子のお嫁さんと孫が立っているではありませんか!後ろには、娘二人も続いています。
私達が急いで乗った後すぐに4人も呼ばれ、結局同じ便に全員乗れたそうです。普段は余り神仏をあてにしていない私ですが、この時ばかりは、旅行前に神社で安全祈願をしてきたお陰もあるのだろうと、自然と神様に手を合わす気持ちになりました。
デルタ航空さんのご好意により、グランドキャニオン遊覧やラスベガス、ユニバーサルスタジオ、ディズニーランドなどなど、思い出一杯の家族旅行となりました。 ソルトレイクシティは2002年に冬季オリンピックが開催されるだけに、空港や市内が綺麗に整備されていただけでなく、デルタ航空の方に象徴される様に、心遣いも暖かく行き届いている事に胸が熱くなり、素敵な思い出となっています。