駄菓子屋のおばさん 2023.02.14 「大阪府・杉菜まゆか様」から投稿頂きました。 20年程前の話です。当時、私は新聞配達を始めたばかりで、駄菓子屋さんは配達先でした。 お客様というご縁もあり、ある日駄菓子を100個注文することにしました。しかし、慌てていたのか間違えて200個お願いしていたことが、引き取る際に分かったのです。もちろんこちらの誤りなので、そのまま購入しました。 その3日後のことです。 配達に行くと、駄菓子屋のおばさんに呼び止められました。「サイズを間違って、ズボンを買ってしまって。。。あなたに合いそうだから、貰ってくれない?」と、1本のパンツを私に差し出されました。 ちょうど私がはけそうなサイズでしたので、遠慮なく受け取り代金を支払おうとしました。すると、「いらないから、貰ってくれるだけ有難い」と仰って、お金を受け取ってはくださいませんでした。多分おばさんは、間違った注文を気になさり、私が気を遣わないようにと、嘘を言って下さったのだと思います。多く買った駄菓子の代金に相当する、いえそれ以上の贈り物を考えて下さったに違いありません。 私の想像に過ぎないかもしれませんが、おばさんの優しさに感動し、それから仕事帰りにほぼ毎日、お店に通い駄菓子を買っています。 哀しい事に少子高齢化もあり、駄菓子屋さんが減少しています。そんな中でも、今も元気におばさんはお店を続けておられます。私も体力の続く限り、おばさんに会いに通いたいと頑張っています。