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おじさんとマモル

「もねじゅん様」から投稿頂きました。

 

先日我が家の愛犬「マモル」が、17年の生涯を終えました。

どこにでもいるオスの雑種でしたが、「女の子と思った」と言われるくらい優しい顔立ちをしていました。田舎の外飼いという事もあり、たくさんの方に可愛がっていただきました。

その中でも印象深いのが、牛乳配達のおじさんです。

 

マモルは比較的大人しいのに、そのおじさんに対してはいつも吠えていました。ただ尻尾を振っていたので、「牛乳ちょうだい!」なんて言っていたのでしょうか。本人(犬)しか分かりませんが。。。

おじさんにこちらから挨拶をするものの、いつも無愛想に頷く程度。時には、「あれ?私の声聞こえなかったかな?それとも聞こえないフリをされたかな?」と感じるぐらいです。おじさんは、人付き合いがあまりお好きではない様子でした。「そういう人なのね」と思い、何も気にしていませんでした。

けれども、私は見てしまったのです。おじさんがマモルに対して、満面の笑顔で話しかけているところを!

「おい!牛乳持ってきたぞ!」と言っているかのようでした。「犬には、あんなに笑顔なんだ」と少し複雑な気持ちがしたものの、吠えるマモルに対して、嫌な感情を持っておられなさそうな事に安心しました。

そのうち犬小屋の場所を移動したのもあり、マモルとおじさんは会わない日が続きました。マモルは歳をとり目や耳も衰え、反応が鈍くなってきました。

ある日おじさんが久しぶりにマモルを見つけ、少し遠くから声をかけています。マモルは、気付かずに寝たままです。「ごめんなさい。マモルは歳をとってしまい、気づかないんです」と声を掛けようか悩みました。きっとおじさんは、気まずそうに行ってしまうだけに違いない。そんな気がして、何も言えませんでした。

そんなおじさんの様子を見て、「マモルからのふりして、おじさんに手紙でも書こうかな。『いつも牛乳配達ありがとうだワン。僕は歳をとって寝てばかりいるけど、おじさんが来るのを楽しみにしているんだワン』とか書いてさ」と冗談混じりに家族と話しましたが、それも実現しませんでした。

その後、都合により牛乳配達の契約をお断りしたので、おじさんは来なくなってしまいました。そして約一年・・・よく晴れた日曜の朝、家族全員に看取られながら、マモルは逝ってしまいました。

あの頃、勇気を出して手紙を書いてみれば良かったな、と今になって思います。おじさん、マモルに笑顔で接してくれて、ありがとうございました!マモル、天国で元気に駆け回って、美味しい牛乳たくさん飲んでね。