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ショート君

「神奈川県・爆弾ママ様」から投稿頂きました。

ついに夏休みに横浜に引越すことが決まった時の話です。

学校にも、息子が所属している野球チームにも、いつ話そうか・・・と考えていた矢先、5年の息子は学校で「骨折」をして帰ってきました。休み時間にドッジボールをして、ボールを取りそこなったらしいのです。

「怪我の相手」とされたのは、同じ野球チームのショート君でした。運動がすごく出来るのに全然自慢しない子で、それがとっても「かっこいい奴」と息子の目には写っているよう。息子は「不思議と痛くないねん。あいつの球やからやん(^^)しゃーないやん(^^)」と何故かうれしそうでした。

最近少し上手になった息子は、時々セカンドをまかされるようになっていました。骨折となるとチャンスが逃げていく・・・セカンド定着を夢見た主人と私は内心がっかりしていました。それでも息子は、「しゃーない」と照れ臭そうにニコニコしていました。

しかし次の日、野球の練習に行く時になると「休もうかなあ〜。実は、友達があいつを責めててん。どんくさいのは俺なのに・・・チームの奴も・・・今日は行きたくないなあ」と言うのです。私はそれを聞いて、「ならなおさら、今日は行かなあかんな。気にしてないというなら、あの子の為に行きなさい」と言いました。「せやな・・・行ったほうがいいな・・あああ〜ややなあ」と言いながら、息子は私に背中を押され、しぶしぶ私と一緒に練習に行きました。

やはり息子は「骨折?」と皆に囲まれ、そしてショート君は来ていませんでした。ご両親も彼に説得したそうですが、「申し訳無い・・・顔を見られない」と来なかったとのこと。結局色んな人に説得されて、昼前にショート君は現れました。そして監督が、息子と二人でランニングをするように指示なさいました。

二人でポツポツ話をしているうちに、息子とショート君は泣きながらランニングをしていました。その姿を見て、周りのお母さん方が他の子供達にこう言って下さいました。 「自分が二人やったらどう思う?必要以上に周りは言ってないか?」 その言葉が、子ども達の心に変化を起こしてくれたようです。ランニングを終えた二人はチームメイトに囲まれていました。 「さあ、今日もかんばろうぜ!!」いつの間にか、いつものチームに戻っていました。

引越しまでに、ショート君に完治した姿を見せる!と、大嫌いな牛乳を一日1リット飲み続けた息子。骨折が完治した時には「低温殺菌かノンホモがええ」と言うほど牛乳好きになっていました。

「今日から練習できます」と監督に報告した時、息子とショート君は二人で視線を合わせ、恥ずかしそうにしていました。そんな二人を大人が見つめて言いました。「ええなあ…(^^)ええ子達やなあ(^^)」

息子はちょっと痛い思いをしましたが、それ以上に得たものは大きかったと思います。チームの結束はより強くなったような気がします。

 

息子は引越しで試合に出ることはできませんが、この結束で秋季大会の優勝を目指して欲しい!そう願いました。