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最後の知らせ

「愛知県・まどか様」から投稿頂きました。

4年前(小学6年生の時)に体験した話です。

私は、生まれた時から喘息を患っていて、その年にも喘息で入院をしてしまいました。その時、同じ病室で同じく喘息を患って入院しているおばあちゃんと仲良くなりました。

そのおばあちゃんは、私に色んな話をよく聞かせてくれました。私は元気になり退院しても、時間が出来るとおばあちゃんに会いに行きました。

ある日、いつもと同じ様に病室を訪れ話を聞いていたところ、おばあちゃんが急に
『私が死んでも、まどかちゃんの側でずっと見守っているから、頑張って看護師になってね。』と言ってきたのです。
私は少しビックリしたものの、『うん。』と返事をしました。

それがおばあちゃんから聞いた最後の言葉となってしまいました。
次に会いに行った時、おばあちゃんは喉の手術をしていて、昔みたいに喋る事が出来なくなっていたのです。それでも、元気な笑顔を見せてくれて、声の出ない口を一生懸命に動かし喋りかけてくれました。

その後忙しくなり、おばあちゃんに会いに行く事が出来なくなりました。日々、会いたい思いだけが募っていきました。
そんなある日、突然時間にゆとりができ、何故だが分かりませんが「今、おばあちゃんに会いに行こう」という思いが強くわき上がってきたのです。すぐに病院に行き、久々におばあちゃんの顔を見ることができました。

その時は、それが最後の再会になるとは思ってもみませんでした。

また別の日に病室を再び訪れましたが、おばあちゃんの名前が書かれた札がありません。病院の知り合いに聞いてみると、話をそらし違う話をしてくるのです。
子供なりに「おかしい」と思い、『それより、三塚さんは、何処に行ったの。』と聞き返しました。するとその人は、『言っていいのかなァ』と一言呟いた後に、『三塚さんは、まどかちゃんが前に来たその日の夜に亡くなったんだよ。』と教えてくれたのです。

ショックと悲しみで何日も泣き続けました。そんな私を見ていた友達が、『泣いたら駄目だよ。そのおばあちゃんは、きっとまどかに知らせてくれ、亡くなるその前に会えたんだよ』と、優しい言葉をかけてくれました。

その言葉をきっかけに、私は少しずつ立ち直り「大好きなおばあちゃんは、天国に行く前に私に教えてくれて、会ってくれたのだ」と思うようになりました。

おばあちゃんからの最後の知らせになってしまったけれども、今でもおばあちゃんは、あの時言ってくれた言葉どおり、私を見守ってくれていると思っています。