幸せ 2014.05.29 「徳島県・昔のえっちゃん様」から投稿頂きました。 5月が終わり6月の雨の季節がやってくると、花菖蒲の紫が美しく目に映えます。部屋に飾っている2ヶ月カレンダーは6月から夏模様、スイカに日傘に麦わら帽子を並べて、スカッとした季節を連想させてくれます。部屋の中もスカッとさせようと思い立ちました。朝市の如く座敷の隅々に並んでる小物を片付けていると、白い小箱が目に留まりました。開けてみると、20年も前に嫁いだ娘のアクセサリーが一杯入っていました。紫のビーズのネックレス、ハート型のトップ、グリーンのビーズのトップにグリーンのポット、揺れるイヤリング・・・ささやかな物ですが、娘の宝物だったのでしょう。一つひとつ見ていると色んな思い出が巡り、幸せに暮らしてきたんだと、密かに涙が滲みました。貧乏暮らしの中でも笑顔を絶やさず、健康感を漂わせて自転車で通っていた娘の後ろ姿が目に浮かびます。 折しも「母の日」の朝でした。プレゼントを贈ってくれた娘に、メールで「ありがとう」と伝えました。娘から、笑った返事が返ってきました。爽やかな5月の太陽の光が、畳の端まで伸びていました。ゆっくりと片付けながら、忘れてしまいがちな日々の暮らしの中の幸せを、改めて感じました。