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清々しい老婦人

「大阪府・高橋智恵子様」から投稿頂きました。

夜遅くなった仕事の帰り道でのことです。

地下鉄千日前線の谷町九丁目駅で降り、谷町線に乗り換えようとホームを歩いていました。前を歩いていた人がポケットから手を出した時、千円札らしい固まりを落としたのです。後ろから来た二人連れの老婦人が拾って、「お金落ちたよ!」と大声で言いながら前の人を追いかけていきました。

しかし、誰とも確定できず、人の群は谷町線へ行く階段を登っていってしまったのです。老婦人達も急いで追いかけ、階段をかけ登りホームまでたどり着くと、電車を待っている人達に落とさなかったかと声を掛け回っていました。

誰もいないらしく、二人はあきらめて改札口の方へ向かって行きました。七十歳はとうに過ぎたと思える実直そうな方達でした。きっと二人は改札口で駅員にお金を届けたのでしょう。

点字ブロックの上に荷物を置いた人を注意したら、相手の態度が悪かったからと注意した人が腹を立てて、荷物を置いた人をホームから突き落とすという事件が、同じ地下鉄で起こったのを記憶しています。そのような悲惨な事件もある一方で、時間が過ぎるのも忘れて力の限り走り、必死で落とし主を捜して届けようとする、真っ直ぐな姿に感動しました。

 

また、それが老婦人であったことに更に感動を覚えたのです。老婦人の生きる姿勢を大変清々しく思いました。少し前の日本では当たり前のことだったのだと思わせるような、気持ちの良い素晴らしい出来事でした。