天に宝を積む 2009.01.20 「奈良県・米田たづ様」から投稿頂きました。 一ヶ月に一度通っている絵のお稽古でのことです。Sさんは、いつもの明るい表情で、いそいそと一抱えもあるお花を車から降ろし、教室へと運んで下さいます。その姿を七年も見させて頂いたでしょうか。プラスティックの容器(ペットボトルを半分に切ったもの)10個に全員のお花をセットして・・・そして、教室に入って花の名前を黒板に書かれるのです。彼女の家のお庭に咲く種々の花々や、近くに里山があり、四季折々のひなびた花や実がそこかしこにできるそうで、それらを摘んで教室まで運んで下さるのです。里山の花や実を取るには、高い枝もあったり、足元が悪かったり、トゲがあったり・・・、その作業は、70歳を超えた彼女には、たやすい事ではないと思われます。 それは、私達生徒の素敵な画材となります。そして、思い思いにスケッチをした後は、自宅へ頂いて帰るのです。いつも自然を愛し、花を愛し、人を愛する明るい彼女に尊敬の念を感じます。受け取る一人ひとりには、小さな贈り物かもしれませんが、その働きは真似のできない大きなものだと、私は深く感じ入っています。彼女のやっておられることは、「天に宝を積む」事と思い、長い歳月の持続は出来るようで出来ないことと、心のお手本にしています。