優しい時間 2005.07.31 「埼玉県・盛田彩様」から投稿頂きました。 長い間同棲していた彼と結婚し、久々に実家に帰った時のことです。妹とケンカをしてしまいました。母が妹に「少しは家のことを手伝え!」と言ったのがきっかけでした。妹は高校生でありながら、ほぼ毎日のようにバイトに行っています。その為に体調を崩すこともしばしばで、母にとってみれば少しでもバイトの量を減らして欲しいという気持ちがあったのだと思います。しかし、妹にそんな母の気持ちが分かるはずもなく、「こっちは学校とバイトで大変なんだよ!専業主婦は楽でいいよな!」と言ったのです。その言葉を聞いた瞬間、横で成り行きを見守っていた私は大泣きしてしまいました。 主婦を知らない人にそんな事言って欲しくなかったのです!どうしても働きに出てる人が偉いと思われがちですが、主婦は夫や子供のバラバラな生活時間に合わせて家事をこなしていて、苦労も多々あります。私のように慣れていなければなお更大変なのです。妹の言葉は、母を傷つけただけでなく、自ら主婦を選んでいる今の自分を否定されてしまったようで悔しかったのです。もちろん私は言い返しました。「お願いだからそんな言い方しないで、その言葉は辛すぎる。」妹は泣いてる私にびっくりしてしまったのか、私の顔をずっと見ていました。その時母が、妹の夕食を運んできました。夜の11時・・・とっくに夕飯の時間は終わっています。バイトで帰りが遅くなった、妹のためだけの夕飯です・・。妹は母が流す涙と自分のためのご飯を見て、自分の言葉のひどさを分かったようでした。妹自身も泣き出してしまいました。すすり泣く声とともに妹が言いました。「そういえば、みんなお風呂入るの早いのに、私が入る時って絶対温かくなってるわ~・・・ありがとう・・・・」この一瞬が、私たち3人にとってとても「優しい時間」でした。一生忘れずにとっておきたいと思います。