彼女の言葉 2005.01.17 「奈良県・のんちゃん」から投稿頂きました。 「病も気から」といわれますが、ある一人の友達がかけてくれた、たった一言で末期癌で闘病していた父が頑張れたあの日々を今も思い出します。 私の父は末期癌だったのですが、初期であっても治癒率の大変悪いといわれるものでした。父は癌だとわかったこの時点で、今なにもしなければ約2ヶ月。抗癌剤を使っても効果は大変低いだろうとの診断でした。 本人の希望で私達家族はもちろん父にも告知されました。頭の中が真っ白になったあの日を今もはっきり覚えています。父にとってはどんな気持ちだったのでしょう・・・それからすぐに闘病生活が始まりました。家族の戦いです。この先どうなるのか・・・不安でした。 友達も十数年前にお父様を癌で亡くされていることから、彼女には色々と聞いてもらっていました。当時は、抗癌剤も今と比べていいものがなく、末期ともなれば大変難しい状況だったようで、彼女のお父様はそんな中で無念にも亡くなられたそうです。 「抗癌剤が使えると言うことは希望がまだまだあるってことやからね、大丈夫やよ!お父さんにそう言ってあげて」と彼女が言ってくれ、私はすぐに父にそう言って励まし続けました。父は「そうか。そうやな。」と言ってうれしそうにしていました。 父も本当は自分の体です。よくわかっていたでしょう。でも、いつもいつも前向きにその言葉を信じて頑張っていました。 残念ながら、父は亡くなってしまいましたが、医師の診断はそう長くはないとのことだったのに、父のかかった末期癌では想像を超えた10ヶ月間戦うことができました。最期までほんとによく頑張りました。少しでも寿命が延びたのは父の生命力はもとより、希望を持てるように励ましてくれたあの言葉だったように思います。 あの時の彼女からの心からの言葉や励ましは本当にうれしいものでした。