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雪の降る寒い日の出来事

「兵庫県・もも様」から投稿頂きました。

当時私は19歳、神戸のモザイクという所で働いていました。服屋やレストラン、映画館などが立ち並ぶ海沿いの建物です。服屋のひとつで働いていたのですが、すぐ横が海と言うこともあり、本当に寒い日でした。

ちょっと休憩しようと店を出て、従業員通路へ行く途中、道の端に座って顔を伏せている子供がいるのを発見しました。

「どうしたの?」と声をかけても、その子は顔を上げる事もなく、うつむいたままでした。
何度もどうしたのかと聞きましたが返答は無く、顔をあげる気配もないので、仕方ないと思いその子供が見えるところで休憩していました。

暫くして、別のお店で働いている女の子が、その子供に「どうしたのー?」と声をかける姿が見えました。また無視されるんだろうなぁ、とあまり気にせずお店に戻りました。

それから1時間近くたち、何となく気になったもので、その子供がまだいるか見に行きました。

そしたらなんと、さっき声をかけていた女の子が変わらず、子供の隣に座っているではありませんか。女の子は寒さのせいで顔が真っ赤になっていました。子供は顔は伏せたままで、女の子はただ、隣に座っていました。時々、「寒いね~。」などとポツポツとしゃべっていました。

その様子を見て胸が熱くなりました。

もう一度声をかけよう、と思った時、子供が立ち上がり、女の子をじっと見て何かを言いたそうにしていました。しかし、その子は結局何も言わず、そのまま走り去ってしまいました。

雪の中1時間も座っていたせいか、その女の子は、上手く立てずよろけながら立ち上がり、階段を駆け下りていく子供を見つめ少し笑っていました。

子供を見守る女の子の姿を見て、私は何だか涙が出そうになりました。