親父のおんぶ 2015.12.18 「岡山県・井上修輔様」から投稿頂きました。 私の父は今、大病を患い闘病中です。そんな状況の中の父と、些細なことで喧嘩をしてしまいました。私はひどい言葉を吐き、父は怒って自分の部屋に戻りました。数時間後ふと我に帰り、闘病中で頑張っている父に悪いことをしたと反省し、謝りに行きました。父は自分の部屋から出てきて、「俺も悪かったな、すまない」と言ってくれました。『苦しい闘病生活を送っているに、辛いのは俺も分かっているはずなのに、なんで喧嘩なんてしてしまったんだろう。いつまでこうして一緒に話せるか、分からないのに・・・』そんな気持ちが込み上げ、振り返って自分の部屋に戻ろうとしていた父の背中に顔をうずめて、「ゴメン、ホントにゴメン、少しだけこのままで・・・」自分でも何て言ってるか分からないぐらい、泣きました。 父は何も言わず、そのまま立っていてくれました。私と父は、一緒に仕事をしています。その日の仕事が終わって自分の家に帰る時に、もう一度謝っておこうと思い『親父、今日はホントにゴメンね』とLINEで送りました。『久し振りにお前をおんぶしたよ。やっぱり俺のおんぶは下手だな』と父からの返信が。涙が止まりませんでした。私には子供がいます。父が私の子供をおんぶしてくれる時も、子供は決まって泣いてしまいます。父は『困ったなぁ』と、嬉しそうに悩んでいました。私は言いたい。『親父、おんぶは下手かも知れないけど、家族のために一生懸命働いた親父が見せてくれた背中は、涙が出るほどカッコ良かったよ』