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大好きな街

「大阪府・山田眞佐美様」から投稿頂きました。

ダンボール一箱分の荷物を、自転車で10分ほどの実家に持っていこうとした時の話です。

ダンボール箱を前のかごに積み、手提げかばんをハンドルにかけて出発しました。
前かごの荷物を気にしつつ、良い天気だなぁ、実家の母にアイスクリームでも買っていこうかな~などと思いながらペダルをこぎ、ふと視線を落とすと、そこにかかっているはずのかばんがないではありませんか!
慌てて自転車を止め、後ろを振り返りました。

私の家は商店街の中にあり、連休のお昼で人はごった返していました。そういえば、家を出てすぐくらいのところで、「ドサッ」という音がしたような気が・・結構大きなかばんを丸ごと落としていたら、すぐに見つかるはず・・そんなことを自分に言い聞かせながら、商店街を引き返しましたが、ありません。家の前に自転車を止め、もう一度今来た道をキョロキョロしながら歩いてみるけど、やっぱりありません。買い物客らは、知らん顔で通り過ぎます。

事が現実味を帯びてきて、私の顔はサーッと青ざめました。いつも持ち歩いてるお気にいりのかばん。中身は財布・携帯電話・手帳・飲みかけのペットボトル・・・財布の中には身分証明書、その他諸々のカードが・・!!

 

全身から冷たい汗が吹き出てきました。「どうしよう~」と思わず声がでて、一番怪しい曲がり角の辺りをうろついていると、角の花屋の店員さんに「山田さん?」と呼びかけられました。見ると手には私のかばんが。「あ-っつ!!」と、叫んでしまいました。
「そこに、落ちてたんですよ。誰か探してる人いてないかな~って話してたんです。携帯も入っているし。これ見て、電話しようかって言ってたんですよ。」と、手にはかばんの中に無造作に入れていた、友達へのお花の送り状がありました。

何でも買い物にきたお客さんが拾って下さったそうです。店員さん達も自分のことのように喜んで下さいました。自分のかばんを落としたことも気づかずに自転車を走らせていた、ほんとうにボーッとした私ですが、この世知辛い世の中、下町商店街の人情に感謝、感謝です。

嬉しくて嬉しくて、無事戻ってきたかばんを思わずギューッと抱きしめると、小さな虫と目が合いました。爪の先ほどの大きさです。お花屋さんにいたんでしょうか。かばんの縁に留まってたんです。ますます自分の住んでいる街が好きになった出来事でした。