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母の日記

「奈良県・大嶋理一郎様」から投稿頂きました。

母がこの春、90歳で他界しました。

長寿社会の日本では、決して長生きとはいえないかもしれませんが、父の死後約20年間一人暮らしで元気に生活を続けてきました。元気とはいいながら高齢の為、外出する際は出きる限り家族が同伴するようにしていました。

確か、目医者に行くときだったと思います。

電車の中で空席があったので、危ないから座るように言ったところ、母はこう断わりました。
「ここは、お年寄りの優先座席ですよ」
この時は、一体お年寄りとは何歳くらいの人を指すのかと、妻と顔を見合わせました。

このように気丈で元気な母でした。しかし、最後は約1ヶ月闘病生活を送りました。

母の死後遺品を整理していると、日記を発見しました。亡くなる前日まで日記をつけていたのには、驚きました。

病気が治らないことに対する不満はありましたが、入院中、母の住む家と病院(徒歩20分位)を1日に何往復もして世話をしてくれた妻に対して、感謝・感謝と書いていました。こんな些細なことで喜んでもらっていたんだと、日記を読みほっとしました。

些細な事しか出来ない家族でしたが、母に感謝してもらいながら天国に送り出せたのは、寂しさもあるものの、自分にとってちょっといい話かなと思っています。