大阪メトロ|駅・電車の交通広告

お気軽にお電話ください

0120-40-2055

あるレストランとのメール

「岐阜県・marble様」から投稿頂きました。

 今から16年前のことです。私は愛知県岡崎市に家内と0歳の息子と住んでおりました。

息子はとても元気良くハイハイができるようになると じっとしていることができず、家の中をあばれまくっていました。家の中だけにとどまらずハイハイのまま家から脱走し、よく行方不明になり 近所を探し回ったものです。
そんな息子でしたから、買い物等で外へ連れ出す時は、それは、それは、大変でした。ベビーカーからは飛び出していってしまうし、そうかといってだっこは嫌いだし、スーパーでそのまま床をハイハイさせておくと階段を昇って違うフロアに行ってしまい、迷子になるのです。

そんな訳で落ち着いて外食なんて、とてもできませんでした。

その年の10月11日、2回目の結婚記念日のことでした。せっかくの記念日だから久しぶりの外食をしようと、超わんぱくの9ヶ月の息子を連れて、あるチェーン店のレストランを訪れました。
覚悟はしていたものの予想どおり、息子は席にじっとしていられず、床をハイハイして店中を動き回ります。他のお客さんに迷惑になるので、何回も連れ戻すのですが、とても落ち着いて食事などできません。
そんな私たちの様子を見て、店長さんとおぼしき男性が私たちの席に近づくと、息子をすっと抱き上げました。そして、会計のそばで販売しているおもちゃの一つを持ってきて、息子と遊んでくれはじめたのです。

「どうぞ、ごゆっくり。」男性のその言葉に甘え、落ち着いた食事をすることができました。

帰り際、結構長い時間だったのにも関わらず、この店長さんらしき男性はイヤな顔をまったくせず息子を家内の腕に渡すと、
「ありがとうございました、またお越しくださいませ。」
とにっこりされたのです。涙が出るほどの感動でした。その日は記憶に残る素晴らしい結婚記念日となりました。

そして今、私達は別の県に住んでおります。近所にそのレストランのチェーン店はありません。たまたま、レストランを経営している会社のホームページを見つけました。あの時の感激がよみ返り、16年前の出来事をメールにて会社に送りました。

最後に私はこう付け加えました。
「今は別の県に住んでおり、近所に同じレストランはありません。今日たまたま、インターネットで貴社のホームページを見て、16年前のことを思い出しました。 インターネットのお店マップには、もう岡崎の店はありませんでした。でも、今年の10月11日の結婚記念日にはちょっと遠くてもどこかの、同じレストランにに行ってみようと思います。今では、もう高校2年生になった息子を連れて。
あの時のような素晴らしいスタッフの方にお逢いできることを、期待しています。今更ではありますが、あの時の店長さんにお礼が言いたいです。本当にありがとうございました。」

そして返事が送られてきました。
「△△様のメールを拝読し、大変感動しました。とてもありがたく、嬉しいメールです。私共の創業者が「喜ばれてこそ人」と言っていましたが、まさにその通りです。
私共の先輩がいい仕事をして、△△様に喜んでいただき、16年間そのことを覚えていて下さったこと、そんな事があったのかと16年後に後輩が喜び、何か不思議な感じですがとても嬉しくてたまりません。
嬉しさのあまり、全店の従業員に△△様のメールを読んでもらうことにしました。喜びを分かち合うために。(以下省略)」

私達がして頂いた喜びを伝えた事で、別の方に喜んで頂け、新たな感動を覚えました。感動や喜びは続いていくものなんだなと、感じています。