2011年1月アーカイブ

約束

| コメント(0) | トラックバック(0)

先日、主人が突然
「結婚前に約束したこと、僕は守れている?」
と尋ねてきました。

婚約中の震災・家族の不幸・・・
両家には色々ありました。
「本当に、親は、がんばって育ててくれたね。
自分の親を大事にするのは、当たり前。
私たちは、相手の親を大事にしようね。」
そう、私たちは約束をしました。

実は・・・私も忘れたことがありません。
主人も、16年間この約束を忘れずにいてくれた事に、感謝しています。

おかげで、両方の両親は仲良しです。
毎年、初夏に我が家で「宿泊合宿」をし、年賀状用の記念撮影をします。毎食、狭いテーブルに9人が集い、大鍋で調理する私は「寮母」のようです。散歩のときは、母同士が手をつなぎ、お互いをいたわってくれています。

今年も、家族9人の年賀状を「今年も全員元気です」と送る事が出来ました。

あの日の あの約束・・・ 忘れずにいてくれて あなた ありがとう

私の父は、75才で胃ガンにより他界しました。

当時私は35才で、運輸業に従事していました。その年のゴールデンウィーク、まだ元気だった父は孫に会いたいのもあったのでしょう、私達のところに遊びに来てくれました。静岡県久能山の石垣イチゴを食べに行き、東照宮の見物もして一緒に楽しく過ごしたのが、元気だった父の姿を見た最後になってしまいました。田舎に戻った後、父の身体は急変し、即入院となってしまったのです。

私は入院先に見舞いに行きました。父は手術の後で、酸素マスクをして点滴を打たれていました。ビニールの集中治療室の中から、私に手招きしてきます。「メモ用紙と書く物をくれ」と言っているのが分かりました。

用意して渡したメモ用紙に、『愛されるより愛せ』と書いています。突然そんな事を告げられても、私には父の伝えたい真意が理解できませんでした。

翌日には勤務地に戻らなければなりませんでした。帰る身支度をして、もしかしたら父に会う最後になるかもしれないと思い、再度お見舞いに行きました。その日の父は体調が良く、少しなら話せる状態でした。

声を絞り出しながら、父は、私にこう言ってくれました。

「自分がいくら良くても、決して人様は話しかけてくれない。自分で行き求めなさい」

これが、メモに書いてくれた『愛されるより愛せ』にも繋がるのだろうと、思いました。人から与えられる事を望む前に、まず自分が与えなさい、そう言いたかったのではないでしょうか。

その後、私の手を握りしめながら、父は静かに息を引き取りました。

お父さん、ありがとう!私は来年古希を迎えますが、今でも父を尊敬しています。

このアーカイブについて

このページには、2011年1月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2010年11月です。

次のアーカイブは2011年6月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。